ひとくま暮らしナビ

森を育て、人を育てる。
創業100年超の苗木会社が描く林業の未来

相良村 正社員

学歴不問 未経験OK 残業少なめ・なし 賞与あり 転勤なし

コムラ苗樹株式会社

森を育て、人を育てる。<br>創業100年超の苗木会社が描く林業の未来

地方といえば、豊かな森、美しい山。では、これらは一体どのようにつくられているのか、考えてみたことはあるでしょうか。

苗木の植え付けにはじまり、下刈り・枝打ち・間伐といった管理を重ね、数十年かかってようやく伐採・搬出。これらが滞りなく循環してようやく森や山は維持されるのです。

今回はそんな森や山づくりの最初のプロセスとも言える、苗木生産の会社をご紹介します。

 

老舗だけどベンチャー

スギやヒノキなどの苗木を生産するコムラ苗樹株式会社。大正7(1918)年創業、100年以上の歴史を持つ会社です。

「うちは老舗だけど、ベンチャーみたいな会社です」と語るのは、4代目の小村哲典さん(42歳)。31歳で家業を継ぎ、思い切った改革を進めてきました。

 

スギの苗を手に笑顔を見せる社長の小村哲典さん。取材は2月。

 

きつい、きつい、では未来がない

その一つが、露地栽培からハウス栽培への転換です。当時まだ主流ではなかった苗木のコンテナ育苗に目をつけ、ハウス内での効率的な栽培ノウハウを確立。熊本県におけるコンテナ苗の普及に貢献してきました。

 

小村さん「従来の露地栽培は、厳寒期に苗木を土から掘り起こす過酷な作業を伴います。できることなら従業員にさせたくないし、僕だってしたくない。ましてや、子どもたちの代までこのやり方を強いるなんてできない。そう思って、ハウス栽培へ舵を切りました。周囲からは『よく挑戦したね』と言われるんですが、どちらかというと『挑戦せざるをえなかった』に近い。持続可能なやり方に変えなければ、未来はないと思ったんです」

 

ハウスの中で育つスギの苗たち。

 

コンテナにスギの苗を植え付けていく。

 

また、新たに造林事業部を立ち上げ、植栽の請負をスタート。自社苗を自社で植えることでロスを減らし、経営を安定させるとともに、高齢化が顕著だった造林業界の活性化を目指しました。全国を見渡しても、苗木生産の会社が造林の分野に参入することはまれ。こうした果敢な取り組みが評価され、小村さんは2021年に農林水産大臣賞を受賞しています。

 

採用の決定権は社長にない

現在、同社で働く従業員は約35名(季節雇用者を含む)。10代の若手から60代のベテラン、海外出身者、障がいを持つ人、さらには就労継続支援A型事業所からもスタッフを受け入れています。

小村さん「多様性があると言えば聞こえはいいのですが、実際の現場はなかなかカオスです(笑)。しかし次第に秩序が生まれ、仕事が回るようになっていく。それが不思議で、なんだか生態系みたいだなぁなんて思っています」。

 

そして驚くべきは、「採用の決定権が社長にない」ことです。

 

小村さん「最初は僕が採用していたんです。でも、実際に一緒に働くのは現場の社員たち。だから、入社を希望する方には試用期間を使って働いてもらい、現場の社員たちが採用の可否を判断する仕組みにしました。こうすることで採用後の現場の雰囲気も、入社した方の定着率も上がっています」。

 

さまざまなバックグラウンドを持つ社員が働いている。

 

小村社長と働きたくて移住した

実際に同社で働く若手2名にも話をうかがいました。

1人目は、造林事業部に所属する佐藤亮介さん(34歳)。東京の証券会社を辞め、4年前にこの地域に移住。決め手となったのは、ほかでもない小村社長の人柄でした。

 

佐藤さん「せっかく地方に移住するなら自然に関わる仕事に就きたいと思っていました。そんな中、インターネットで小村社長の記事を目にして。林業や地域の課題に真正面から向き合い、行動されているところに感動し、こんな人のもとで働きたいと思いました」。

 

東京から移住してきた佐藤さん。現在は育休中。

 

入社後はチェーンソーの使い方など必要な知識や技術をいちから習得し、先輩社員とともに山で経験を重ねてきました。

そして現在は育休中。同社としては男性の育休取得は初めてのことでした。

 

佐藤さん「社長に相談すると『ぜひ !』と快諾されました。娘の成長を間近で見つめながら、職場復帰後の英気を養っています」。

 

もう1名、豊永唯人さん(27歳)はUターン者。7年前に福岡から帰郷し、同社に就職しました。

 

27歳の豊永さん。手には光る指輪。もうすぐお子さんも生まれるんだそう。

 

豊永さん「力仕事だらけだろうと思っていたら、かなり機械化が進んでいて、体力面で言えば想像よりはるかにラク。それまで抱いていた林業のイメージとはだいぶ違いました。一方で、どうすれば作業効率や製品率を上げられるか、ということには非常に頭を使っています」。

 

働く仲間とその家族の幸せが一番

そして、2名が口をそろえていたのが職場の働きやすさ。残業なし、繁忙期以外は土日祝休み、急な休暇も取りやすく、子育て世代の従業員にも好評です。こうした働き方を実現している裏には、小村さんの強い思いがあります。

 

小村さん「僕たちって、仕事では代えがきくとしても、家庭では代えがききませんよね。僕も4児の父なので、それは痛感しています。社員それぞれの後ろにはパートナーがいて、子どもがいて、家庭がある。だから働き方はできるだけ柔軟にして、利益はしっかり還元したい。働く仲間とその家族の幸せが、うちの会社の価値基準です」。

 

灌水中のハウス。光と水をたっぷり受けながら冬を越す。

 

木が年輪を刻むように

そんな小村さんも、家業を継いだ当初は会社の成長に固執し、視野が狭くなっていたと振り返ります。

 

小村さん「とにかく成果重視だった商社マン時代の思考が抜けず、前のめりになっていました。前社長の父にも、『もっとこうしたほうがいい』『ここの数字は改善すべき』などとずいぶん進言したものです。でも無理に成長しようとすると、どこかで歪みが生まれるもの。収入が増えても利益が残らない、社員との関係はギスギス、そんな状況に陥って、このままではだめだと気づきました。拙速に成果を求めるのではなく、木が年輪を刻むように、会社もゆっくり着実に成長していくことが大切なんだと思っています」。

 

社長就任後、一度は200万本まで増やしたスギの苗木出荷数も、現在は無理をせず100万本ほど。それでも製品率の向上によって利益はむしろ増加で推移し、熊本県のスギの苗木生産量でも3割を占めています。

 

スギの苗木。穂先が赤いのは紅葉によるもの。春になると一気に緑色になり、出荷のときを迎える。

 

森を育て、人を育てる

毎年10月、全従業員が集まって来期の目標を確認する場があります。社長の小村さんは前期の決算報告と今後の大まかなビジョンを話すにとどめ、その先の細かい目標数値や方針は各部門の従業員に一任。どうすれば作業が効率化できるか、どうすれば会社の利益を増やすことができるか、従業員たちは会社の成長を自分ごととして捉えています。それは、小村さんの従業員を大切に思う気持ちが、従業員たちにしっかりと届いているからに違いありません。

 

小村さん「林業や農業は労働集約型の仕事。機械化が進んではいるものの、完全自動化はできず、結局は人の手に委ねるところが大きいんです。だからこそ、人の可能性を信じるしかない。人が成長するのは時間がかかるものですが、苗も木も森も同じこと。この地域で時間をかけて森づくり、人づくりをしていくのが僕らの役目なんだろうなと思っています」。

 

しなやかに変化を受け入れる。一方で、長期的な視点を持ち、どっしりとたくましく構える。自然を相手にする仕事だからこそ生まれる視点と覚悟が、随所に感じられる会社でした。

 

募集要項

職種
林業作業員
雇用形態
正社員
対象人物像
素直で明るい方
給与
18万7,200円〜24万9,600円
※試用期間(1ヶ月)は日給8,000円
仕事内容
山林において、育林事業(苗木の植え付け、下刈り、枝打ち等)に従事していただ
きます。
勤務形態・時間
7:00〜14:00(休憩1時間含む)
休日
週休2日制(その他)、第3土曜休み、年末年始・GW・お盆休みあり
応募資格
普通自動車運転免許
勤務地
球磨郡相良村柳瀬96-2
待遇
各種保険完備、昇給あり、賞与あり
子ども手当(1人につき5,000円)、住宅光熱費手当(月15,000円)ほか
住所
球磨郡相良村柳瀬96-2
お問い合わせ先
コムラ苗樹株式会社 担当:小村
TEL 0966-23-4068
mail
komuraryokkaen@gmail.com
HP
http://www.komura-seedlings.jp/

アクセスマップ