先輩移住者インタビュー
interview
都会で培った経験を、湯前町の老舗に。
庄籠あずきさんの自分らしい歩み。
湯前町
2023年東京からUターン 庄籠あずきさん

「人の縁は運がいいともいえるし、自分で言うのもなんだけどそれを掴みに行くのも自分だし。きっかけは与えてもらったけど。行動するのは自分だしみたいなところでいうと過去の自分は褒め称えたいなと思う」
そう語るのは湯前町出身の庄籠あずきさん。関西と関東でキャリアを積み、2023年にご実家である湯前町の老舗「庄籠製菓舗」へ帰郷。都会で得た経験を活かし、湯前町で活動を続ける彼女の姿に迫ります。

湯前町出身の庄籠あずきさん
都会でのキャリアと湯前町へのUターン
庄籠さんは高校卒業後、関西の製菓専門学校でパティシエの道を歩み始めました。関西・関東を中心に製菓店やカフェの立ち上げ・運営として経験を積み、その後、東京で遊休不動産を活用した飲食業のプロジェクトに参加します。このプロジェクトは再開発により取り壊しが決まった日本橋のビルを期間限定で飲食店として活用するというものでした。参加したメンバーのほとんどが飲食業界未経験のなか、庄籠さんは業界経験者としてお店のコンセプト作りから運営まで、幅広く関与。
庄籠さん「日本橋って老舗の飲食店が結構いっぱいあって。老舗の寿司屋とかお高いイメージがあるから、若い人って近寄りづらいよね…みたいな。けどやっぱ若い人たちにも来てほしいみたいなところで、老舗の味をカジュアルに楽しめるホットサンド屋にしようって。」
老舗店が立ち並ぶ日本橋の街並みから着想を得た、“老舗の味を気軽に楽しめるホットサンド”というアイデアを基に地元の方々と交流を重ねていった庄籠さんは、そこで地域と関わる“場作り”の楽しさを学んだと言います。
庄籠さん「(お店の中に)こもってお菓子を作り続けるというよりかは、なんかそうやっていろんな場を作る、いろんな人と関わって場を作るとかもそうだし、地域を巻き込んで何かをやるみたいなところの方が私は楽しいんだって。」
庄籠さんはプロジェクト終了後、この“地域と連携して商品を生み出す”という想いを胸に地元湯前町に戻ります。

ホットサンド屋で活動する庄籠さん
Uターン後、庄籠製菓舗での活動
2023年、庄籠さんは湯前町に戻り実家である老舗製菓店「庄籠製菓舗」の新たな担い手としてスタート。最初に取り掛かったのはリーフレットやホームページ制作といった、庄籠製菓舗を広く伝える取組みでした。制作にあたっては、東京時代の仲間も協力してくれました。
また東京で働いていた時、地元の豊永酒造が作るカルダモン焼酎に出会った庄籠さんは“いつかこの焼酎でお菓子を作りたい”という思いを胸に抱いていました。
庄籠さん「手土産みたいになる商品がなかなかなくて。だからカルダモン焼酎を使った手土産、お菓子を考えようと思って最初に作ったお菓子が「カルダ」って言います。」この商品は「くまもとグッドプロダクト賞」を受賞するなど、高く評価されました。庄籠さんは今後も、地元の抹茶を使った新しいお菓子や、海外との連携も視野に入れながら庄籠製菓舗の新たな可能性を広げていきたいと展望を語ってくれました。

Uターン後、庄籠さんが開発したお菓子「カルダ」
Uターン後の生活
Uターン後、帰ってきてすぐは店の外に出る機会が少なかった庄籠さん。
しかし、昨年からは“地域の人と関りを持とう”と意識的に行動し、地元の人々との交流を深めているとのこと。
庄籠さん「今では地元の人たちと関わるようになって、すごく応援してくれてる。大丈夫だよって感じになってくれてるのもまた一つよかったなと。地域の人にそう言ってもらえるとすごく安心感があるなっていうのをここ最近感じてますね。」
また、地元だからこそできることも多いそうで、
庄籠さん「都会だと、なかなか簡単にはできないことが、こっちだと割と簡単にできちゃうっていうところはすごく魅力の一つだなって思う。」
庄籠さん自身、学生時代は地元を出たいという気持ちがあったそう。しかし外に出て色々な人と出会い、様々な体験をしたからこそ地元湯前町にはまだ生かされていない“素材”がたくさんあることに気がついたと語ってくれました。
庄籠さん「やっぱ都会とかでやるよりかは断然こっちの方が何でもやれる。何でもやれちゃうし、何でも応援してくれるみんなすぐ新聞に載せてくれたりする。」
地元だからこそ身近に応援してくれる人がいること、サポートしてもらいやすい環境が揃っていることも、Uターンの魅力の一つです。

接客中の庄籠さん
終わりに
庄籠さんは、創業80年を超える老舗の伝統を大切にしつつも、「各々みんな好きなようにやってる」という庄籠家の自由な気風を尊重し、自分らしい店との関わり方を見つけたいと語ってくれました。
“自分が楽しく続けられる方法で、お店の味を伝え続けられるか”という問いに向き合い、地域の人々との繋がりを大切にしながら歩むその姿は、これからも湯前町を明るく照らしていく存在であり続けます。

庄籠製菓舗のシンボル的信楽焼の狸と庄籠さん









